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ヒゼンダニ
動物の種類によってヒゼンダニの種は異なる。
ヒトに対しては、Sarcoptes scabiei var. hominis が関係する。
ヒゼンダニの大きさは雌成虫で体長約400μm、体幅約325μmで
肉眼ではほぼ見えない。
を済ませた雌成虫は、の層の内部にで
疥癬トンネルと呼ばれるトンネルを掘って寄生する。
疥癬トンネル内の雌は約2ヶ月間の間、
1日あたり0.5-5mmの速度でトンネルを掘り進めながら、
1日に2-3個、総数にして120個以上のを産み落とす。
幼虫は孵化するとトンネルを出てに潜り込んで寄生し、
若虫を経て約14日で成虫になる。
雄成虫や未交尾の雌成虫はトンネルは掘らず、
単に角質に潜り込むだけの寄生を行う。
感染
直後の雌成虫が未感染の に感染すると、約1ヵ月後に発病する。
皮膚には が見られ、自覚症状としては
強い皮膚のかゆみ(アレルギー反応)が生じる。
皮疹には腹部や腕、脚部に散発する赤い小さな 、
手足の末梢部に多い疥癬トンネルに沿った線状の皮疹、
さらに比較的少ないが外陰部を中心とした小豆大の結節の3種類が見られる。
症状と診断
非常に強い痒みが主要症状で、水疱性疥癬は小児に好発する。
身体所見として疥癬トンネルがあれば疑う。
疥癬トンネルからの擦過物を顕微鏡で観察して
ダニ、虫卵、糞粒を認めることで確認する。
合併症
引っかき傷は 、 の感染が起こりやすく、
膿痂疹を引き起こす。
膿痂疹は、 、 、 等の重篤な合併症につながる。
鑑別
- - 高齢者では似ることがあり診断が遅れる。
- - 頭皮に生じた疥癬。(乳幼児および免疫不全宿主)
過角化型疥癬
重症感染の過角化型疥癬は、 にはじめてこの症例を報告したのが
の学者
( の医師で、 の義父)らであったため、
時にノルウェー疥癬とも呼ばれるが、 的にノルウェーと関連があるわけではないため、
過角化型疥癬と呼ぶことが提唱されている。
何らかの原因で 力が低下している人にヒゼンダニが感染したときに発症し、
通常の疥癬はせいぜい1患者当たりのダニ数が千個体程度であるが、
過角化型疥癬は100万-200万個体に達する。
このため感染力はきわめて強く、通常の疥癬患者から他人に対して
感染が成立するためには同じ寝具で同衾したりする必要があるが、
そこまで濃厚な接触をしなくても容易に感染が成立する。
患者の皮膚の摩擦を受けやすい部位には、汚く盛り上がり、
の殻のようになった角質が付着する。
通常疥癬と角化型疥癬に大別される 。
歴史
の医師 が著した『 』に疥として記載がある。
また、 の が著した『 』は、 を含む軟膏による
治療法が記載されている。( )によると、
昔はらい病と疥癬はよく合併し、光田自身も神社仏閣でよく観察していたという。
なお、光田は令義解のらいが伝染した話は、疥癬があり、
伝染したことが観察されたのではないかという。
通常のらいであれば、伝染する印象はない。
治療法
内服薬
- (ストロメクトール錠)
- - 日本では、 に疥癬への保険適応となった。
外用薬
- フェノトリン(スミスリンローション5%)
- - 合成 。
- 2014年5月、日本でも医療用医薬品として発売された。
- 0.4%のパウダータイプやシャンプータイプは、シラミ駆除の一般用医薬品
- イオウ末 - 沈降硫黄に流動パラフィンを研和、白色軟膏で5〜10%に製する、
- 院内製剤または薬局製剤で、保険適応。
- イオウ・サリチル酸・チアントール軟膏 - 第十七改正 収載品で、
- 薬価収載されているが、製造中止となり販売されていない。
- (オイラックスクリーム10%、など)
- - 保険適応はないが容認されている。上記に比較し、効果が弱い。
- 名称がオイラックスの外用薬でも、オイラックスHクリーム、市販のオイラックスA、
- オイラックスPZ軟膏・クリーム、オイラックスデキサS軟膏は
- ステロイドが含有されているので使用してはいけない 。
- ( )製剤は皮膚症状が増悪するため禁忌である。
- - 6~35%濃度でローションを調製し、使用する(保険適応外) 。
- - 合成ピレスロイド。海外で使用されているが、
- 2018年の現在、日本国内では認可されていない。
イベルメクチン、フェノトリンは、ともに卵には効果が薄い。
初回投与時には卵であったものが孵化することを念頭に置き、1週間隔で2回投与する 。
従来使われていた (γ-BHC)は
日本では2010年4月の 改正により
に追加され、院内製剤用としての入手は不可能となった 。
かつては への入浴も行われていたが、
生産会社の が2008年時点で生産業務を終了したため利用できない 。
予防
- 医療従事者、介護者は、 から感染する可能性があるため、
- ディスポーザブル手袋やガウンの着用が必須である 。
- 患者の着衣やシーツなどは、殺虫剤( 系)処理するか、
- 熱処理(50℃、10分)する 。
- 鱗屑が床に落ちている可能性があれば殺虫剤を散布する 。
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